MWCの2021年1-9月期の決算
2021年1-9月期の当期純利益は、前年同期比6%増の33億8,700万ペソとなりました。課金額の減少や原価・費用の増加を、海外関連会社からの貢献の増加や法人税負担の減少が補いました。
連結原価および費用は、前年同期比7%増の61億9,000万ペソとなりました。人員および給与の増加にともなう人件費の増加、サービス・コンセッション資産の増加にともなう保険料の増加、管理費および専門家費用の増加、ならびに浄化槽汚泥処理、検針活動および昨年の地域強化検疫期間中に停止した収集活動に関する修繕費およびその他変動費の増加によるものです。
その結果、連結EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却費控除前利益)は、前年同期比5%減の89億1,900万ペソとなりました。
償却費および減価償却費は、主にサービス・コンセッション資産の追加により6%増の27億800万ペソとなりました。
純支払利息は、借入金の引き出しにより7%増加し、15億3,900万ペソとなりました。
MWCの2021年1-9月期の財務状況
2021年9月現在の総資産は1660億ペソ以上となり、サービスコンセッション資産の増加により2020年12月比で90億ペソ以上増加しました。グループのバランスシートは引き続き強固であり当社は、融資のコベナンツを遵守し、主要な比率は設定された許容誤差の範囲内で十分に維持されています。当期の長期借入金総額は2020年12月の735億3,200万ペソから713億2,800万ペソに減少し、ネット銀行借入は526億7,500万ペソから501億5,800万ペソとなりました。
MWCの2021年1-9月期の連結キャッシュ・フロー計算書
営業活動から得た現金・預金および現金同等物は、2021年9月末時点で、15億6,300万ペソでした。営業活動によるキャッシュ・フローは会社の本業を示す部分なので、プラスになっているのが望ましいです。
投資活動に使用した現金・預金および現金同等物は、2021年9月末時点で9億3,600万ペソでした。投資活動によるキャッシュ・フローは成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、マイナスとなるのでマイナスになっているのが望ましいです。
財務活動に使用した現金・預金および現金同等物は、2021年9月末時点で15億ペソでした。財務活動によるキャッシュ・フローがプラスの場合は、設備投資などのために借入れを行っています。財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスの場合は、借入金の返済を行っています。
MWCの2021年1-9月期の経営状態
売上高総利益率は販売する品物や提供するサービスの利益率のことです。業種によって違いはありますが20%以上を目安としています。
売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。業種によって違いはありますが10%以上を目安としています。
自己資本利益率 (ROE)は自己資本を活用して利益をどれくらい計上できたかを見る指標です。10%以上を目安としています。
総資産利益率 (ROA)は、資産全体に対して、どれだけの利益が生み出されているのかを計る指標です。5%以上を目安としています。
売上総利益率: 58.74%
売上高営業利益率: -%
ROE: 5.01%
ROA: 2.10%
自己資本比率は、比率が高いほど、企業が必要な資産を最小限の負債で効率的に調達していることを示しています。業種により比率は違いますが、30%以上は良好です。
流動比率とは、すぐに現金化できる流動資産がどれくらいあるかを示しています。130~150%ほどが通常で100%を切っていたら、危険水域です。
当座比率が100%以上あれば、短期債務返済能力は十分あるものと判断することができます。
負債比率は、負債比率は、企業の資産のうち負債によって賄われているものの割合を示す財務比率です。100%を超えると借金への依存度が高くなります。
固定比率は、自己資本に対する固定資産の割合のことです。100%が基準となり100%を超えると借金で固定資産を調達しています。
固定長期適合率は、数値が低ければ安全性があり、100%を超えると資金繰りが苦しいです。
自己資本比率: 41.99%
流動比率: 157.33%
当座比率 : 146.85%
負債比率: 138.14%
固定比率 : 200.79%
固定長期適合率: 93.65%
キャッシュフローマージンは、売上がどれくらい効率的にキャッシュフローを稼いでいるかを示す指標で、15%以上を目安としています。
利益構成比率は、営業キャッシュフローにおける利益と減価償却費の割合を見る指標で、低い方が安定的なキャッシュフローを見込めます。目安は50%以下です。
キャッシュフローマージン: 10.23%
利益構成比率: 56.27%
MWCの株価
企業名: Manila Water Company, Inc. (MWC)
セクター: 産業
サブセクター: 電気・エネルギー・電力・水
時価総額: 731億3,068万4,290.95ペソ(2022年1月6日付)
浮動株比率: 37.27%
* 2022年12月からは、指数への組み入れに必要な浮動株比率が20%に引き上げられます。
したがって、当サイトでは20%を下回る場合は低いと判断しています。
EPS: 1.18ペソ
BPS: 23.43ペソ
PER: 15.96倍
PBR: 1.07倍
MWCは、1997年1月6日に設立され、家庭用、商業用、工業用の顧客に水処理、下水道、衛生設備、配水サービス、配管工事、管理サービスを提供しています。MWCは、1997年2月21日に当社とマニラ首都圏上下水道システム(MWSS)との間で締結されたコンセッション契約に基づき、MWSSのフランチャイズエリアである東ゾーンにおいて、上水道および使用済み水サービスを提供する独占権を有しています。
MWCの週足チャートは、パンデミック以降上昇を続け、あと少しで50週移動平均線(オレンジの線)が200週移動平均線(ピンクの線)をゴールデンクロスしそうです。MACDは青い線が赤い線を上から下にクロスしていますが、RSIは上を向いています。株価のサポートは18.50ペソ、レジスタンスは28.00ペソです。
まとめ
MWCの2021年1-9月期の決算内容は、売上総利益率は58.74%、売上高営業利益率は-%でした。売上総利益率は高く効率よく利益を出せています。ROEは5.01%、ROAは2.10%でした。株主資本、資産全体から効率よく利益を生み出せませんでした。
自己資本比率は41.99%、流動比率は157.33%、当座比率は146.85%、負債比率は138.14%、固定比率は200.79%、固定長期適合率は93.65%でした。自己資本比率は高く、流動比率も良く、短期債務返済能力は十分あります。借金への依存度がやや高いものの資金繰りが苦しい状況ではありません。
キャッシュフローマージンは10.23%、利益構成比率は56.27%でした。売上げから効率よく稼いでおらず、安定的なキャッシュフローが見込めません。
EPSは1.18ペソ、BPSは23.43ペソでした。EPS、BPSは共に前四半期、前年同期を下回っています。PERは15.96倍、PBRは1.07倍でした。株価はわずかに割高です。
経営状態と株価を総合的に見ると、5段階評価 (S, A, B, C, D)はCランクで悪いです。
ランク
上記まとめの16項目 (各1ポイント)を元にランク付けしました。
過去に自己分析した銘柄も記載しています。
MWCと同セクター:産業、同サブセクター:建設・インフラ・関連サービスは、
AP、ACEN、FGENがあります。
S 非常に良い (13~ )
16.
15.
14. NIKL, EAGLE
13. SCC
A 良い (10~12)
12. CNPF, GMA7, FGEN
11. MPI, TEL, CHP
10. MONDE, AGI, FB, WLCON
B 普通 (7~9)
9. FLI, RLC, AEV, DNL
8. PGOLD, CNVRG, VLL, AP, ACEN
7. JFC, ALI, AC, SSI, MM, MEDIC, GLO
C 悪い (4~6)
6. SM
5. AREIT, BDO, MWC
4. BLOOM
D 非常に悪い (0~3)
3. ALLDY, PHR, ABS
2. DITO, PHA, 2GO, MWIDE
1.
0. CEB