WLCONの2021年通期の決算
2021年通期の純利益は、2020年通期の14億4,900万ペソから76.8%増の25億6,100万ペソとなりました。この増加は、主に売上高の増加および売上総利益率の拡大によるものですが、営業費用および法人税等の増加により一部相殺されました。
売上高は、2020年から48億8,400万ペソ (21.6%) 増加して、275億1,300万ペソとなりました。この増加は、主にルソン島の支店を中心とした取引件数の増加により、既存店売上高が12.1%増加したことに起因しています。
売上総利益は、2020年の77億8,200万ペソから24億9,400万ペソ (32.0%) 増加して、102億7,600万ペソとなりました。これは主に、当四半期の売上が増加したこと、および売上総利益率が前年同期比で 296bp 上昇したことによるものです。
営業費用は、2020年の57億3,800万ペソから9億9,400万ペソ (17.3%) 増加して、67億3,200万ペソに増加となりました。
WLCONの2021年通期の財務状況
現金および現金同等物ならびに短期投資は、当社が新しい店舗の建物および倉庫を建設し続けたため、2020年12月31日現在の残高合計の23億4,200万ペソから22億6,900万ペソ (49.2%)減少しました。
2021 年度の設備投資額は 21億6,100万ペソで、新しい店舗や倉庫の建設に費やされました。
WLCONの2021年通期の連結キャッシュ・フロー計算書
営業活動から得た現金・預金および現金同等物は、2021年9月末時点で、17億5,900万ペソでした。営業活動によるキャッシュ・フローは会社の本業を示す部分なので、プラスになっているのが望ましいです。
投資活動に使用した現金・預金および現金同等物は、2021年9月末時点で1億300万ペソでした。投資活動によるキャッシュ・フローは成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、マイナスとなるのでマイナスになっているのが望ましいです。
財務活動に使用した現金・預金および現金同等物は、2021年9月末時点で19億4,600万ペソでした。財務活動によるキャッシュ・フローがプラスの場合は、設備投資などのために借入れを行っています。財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスの場合は、借入金の返済を行っています。
WLCOMの2021年通期の経営状態
売上高総利益率は販売する品物や提供するサービスの利益率のことです。業種によって違いはありますが20%以上を目安としています。
売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。業種によって違いはありますが10%以上を目安としています。
自己資本利益率 (ROE)は自己資本を活用して利益をどれくらい計上できたかを見る指標です。10%以上を目安としています。
総資産利益率 (ROA)は、資産全体に対して、どれだけの利益が生み出されているのかを計る指標です。5%以上を目安としています。
売上総利益率: 37.35%
売上高営業利益率: -%
ROE: 14.66%
ROA: 7.92%
自己資本比率は、比率が高いほど、企業が必要な資産を最小限の負債で効率的に調達していることを示しています。業種により比率は違いますが、30%以上は良好です。
流動比率とは、すぐに現金化できる流動資産がどれくらいあるかを示しています。130~150%ほどが通常で100%を切っていたら、危険水域です。
当座比率が100%以上あれば、短期債務返済能力は十分あるものと判断することができます。
負債比率は、負債比率は、企業の資産のうち負債によって賄われているものの割合を示す財務比率です。100%を超えると借金への依存度が高くなります。
固定比率は、自己資本に対する固定資産の割合のことです。100%が基準となり100%を超えると借金で固定資産を調達しています。
固定長期適合率は、数値が低ければ安全性があり、100%を超えると資金繰りが苦しいです。
自己資本比率: 54.05%
流動比率: 193.58%
当座比率 : 49.55%
負債比率: 85.01%
固定比率 : 86.67%
固定長期適合率: 64.58%
キャッシュフローマージンは、売上がどれくらい効率的にキャッシュフローを稼いでいるかを示す指標で、15%以上を目安としています。
利益構成比率は、営業キャッシュフローにおける利益と減価償却費の割合を見る指標で、低い方が安定的なキャッシュフローを見込めます。目安は50%以下です。
キャッシュフローマージン: 6.32%
利益構成比率: 54.40%
WLCONの株価
企業名: Wilcon Depot, Inc. (WLCON)
セクター: サービス
サブセクター: 小売り
時価総額: 1,106億9,255万1,132.00ペソ(2022年3月14日付)
浮動株比率: 33.96%
* 2022年12月からは、指数への組み入れに必要な浮動株比率が20%に引き上げられます。
したがって、当サイトでは20%を下回る場合は低いと判断しています。
EPS: 0.62ペソ
BPS: 4.26ペソ
PER: 42.34倍
PBR: 6.16倍
WLCONは、2015年12月17日にホームセンターと建築用品の小売業として法人化されました。WLCONは、Wilcon Corporation (WC)の子会社です。WLCONは、2016年4月1日にWCから小売資産および負債のすべてを含む小売事業を譲渡され、正式に営業を開始しました。
WLCONの週足チャートは、パンデミック前の株価を大きく更新しており綺麗なAOTSを描いていますが、20週移動平均線(緑の線)を割り込み、50週移動平均線(オレンジの線)付近を推移しています。MACD、RSIは共に下を向いています。株価のサポートは23.20ペソ、レジスタンスは34.95ペソです。
まとめ
WLCONの2021年通期の決算内容は、売上総利益率は37.35%、売上高営業利益率は-%でした。。売上総利益率は高く効率よく利益を出せています。ROEは14.66%、ROAは7.92%でした。ROE、ROAから効率よく利益を出せています。
自己資本比率は54.05%、流動比率は193.58%、当座比率は49.55%、負債比率は85.01%、固定比率は86.67%、固定長期適合率は64.58%でした。自己資本比率、流動資産は高く良い状態です。短期債務返済能力は十分にないものの、借金への依存度は低く、資金繰りが苦しい状況ではありません。
キャッシュフローマージンは6.32%、利益構成比率は54.40%でした。売上げから効率よく稼いでおらず、安定的なキャッシュフローが見込めません。
EPSは0.62ペソ、BPSは4.26ペソでした。EPS 、BPSは前年より高くなっています。PERは42.34倍、PBRは6.16倍でした。株価は割高です。
経営状態と株価を総合的に見ると、5段階評価 (S, A, B, C, D)はAランクで良いです。
ランク
上記まとめの16項目 (各1ポイント)を元にランク付けしました。
過去に自己分析した銘柄も記載しています。
WLCONと同セクター:サービス、同サブセクター:小売りは、
CEB、PGOLD、SSIがあります。
S 非常に良い (13~ )
16.
15.
14. NIKL, EAGLE
13. SCC, EMP
A 良い (10~12)
12. CNPF, GMA7, FGEN, HOUSE
11. MPI, TEL, CHP, FCG
10. MONDE, AGI, FB, DDMPR, DD, WLCON
B 普通 (7~9)
9. FLI, RLC, AEV, DNL, RCR
8. PGOLD, CNVRG, VLL, AP, ACEN, IDC, FRUIT, ICT
7. JFC, ALI, AC, SSI, MM, MEDIC, GLO, PX
C 悪い (4~6)
6. SM, CLI
5. AREIT, BDO, MWC
4. APX, BLOOM
D 非常に悪い (0~3)
3. ALLDY, PHR, ABS
2. DITO, PHA, 2GO, MWIDE, MAC
1.
0. CEB
関連記事:
【フィリピン株】WLCONの2021年1-9月期の決算
【フィリピン株】WLCONの2021年上半期の決算
【フィリピン株】WLCONの2020年度と2021年第1四半期の決算