GLOの2021年上半期の決算
2021年上半期の連結売上高は、前年同期の724億ペソから4%増の755億ペソとなりました。主な成長要因は引き続きデータで、フィリピン人のデジタル活動の増加に伴い、@Home Broadbandが中心となっています。総データの割合は、昨年の76%から79%に増加しました。
補助金を含む営業費用総額は、381億ペソとなり、昨年を12%上回りました。引当金を除く この費用の増加は、積極的なネットワークの拡大や顧客のデジタル化を支援するための費用が増加したことによるものです。
減価償却費総額は185億ペソとなり、前四半期を上回りました。引き続き設備投資を行った結果、前期比で6%、前年同期比で2%の増加となりました。
コア純利益(経常外費用の影響、為替および市場取引費用を除く)は、前年同期比19%増の132億ペソとなりました。四半期ベースではコア純利益は、前四半期の74億ペソから22%減少しました。
現金資本支出総額は、過去最高となる433億ペソに達しました。昨年の支出額を107%上回りました。設備投資額の約88%は、データネットワークの構築に費やされました。3Gから4G LTE/5Gへの積極的なネットワーク拡張とネットワークの近代化を進め、ファイバー技術を全国のより多くのお客様に提供していますが、これはすべての人が高速接続を利用できるようにするための戦略の一環です。
グローブ・ポストペイドの2021年6月末時点での累積加入者数は250万人で、前年同期比で6%減少しました。プリペイドの累積加入者数は約7,920万人で、前年同期の7,750万人を2%上回りました。
GLOの2021年上半期の財務状況
2021年6月30日時点の連結資産は、2020年12月31日時点の3,398億ペソに対し、3,755億ペソとなりました。
連結ベースの現金・現金同等物および短期投資は2020年12月31日時点の195億ペソに対し、2021年6月末時点では146億ペソとなりました。
GLOの2021年上半期の連結キャッシュ・フロー計算書
営業活動による連結キャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で339億ペソとなりました。前年同期比で40%増加しました。営業活動によるキャッシュ・フローは会社の本業を示す部分なので、プラスになっているのが望ましいです。
投資活動による連結キャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で456億ペソとなりました。前年同期比で115%しました。投資活動によるキャッシュ・フローは成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、マイナスとなるのでマイナスになっているのが望ましいです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で69億ペソとなりました。前年同期比で92%増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローがプラスの場合は、設備投資などのために借入れを行っています。財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスの場合は、借入金の返済を行っています。
GLOの2021年上半期の経営状態
売上高総利益率は販売する品物や提供するサービスの利益率のことです。業種によって違いはありますが20%以上を目安としています。
売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。業種によって違いはありますが10%以上を目安としています。
自己資本利益率 (ROE)は自己資本を活用して利益をどれくらい計上できたかを見る指標です。10%以上を目安としています。
総資産利益率 (ROA)は、資産全体に対して、どれだけの利益が生み出されているのかを計る指標です。5%以上を目安としています。
売上総利益率: 88.65%
売上高営業利益率: 84.47%
ROE: 14.69%
ROA: 3.47%
自己資本比率は、比率が高いほど、企業が必要な資産を最小限の負債で効率的に調達していることを示しています。業種により比率は違いますが、30%以上は良好です。
流動比率とは、すぐに現金化できる流動資産がどれくらいあるかを示しています。130~150%ほどが通常で100%を切っていたら、危険水域です。
当座比率が100%以上あれば、短期債務返済能力は十分あるものと判断することができます。
負債比率は、負債比率は、企業の資産のうち負債によって賄われているものの割合を示す財務比率です。100%を超えると借金への依存度が高くなります。
固定比率は、自己資本に対する固定資産の割合のことです。100%が基準となり100%を超えると借金で固定資産を調達しています。
固定長期適合率は、数値が低ければ安全性があり、100%を超えると資金繰りが苦しいです。
自己資本比率: 23.64%
流動比率: 62.23%
当座比率 : 41.71%
負債比率: 323.08%
固定比率 : 356.23%
固定長期適合率: 112.86%
キャッシュフローマージンは、売上がどれくらい効率的にキャッシュフローを稼いでいるかを示す指標で、15%以上を目安としています。
利益構成比率は、営業キャッシュフローにおける利益と減価償却費の割合を見る指標で、低い方が安定的なキャッシュフローを見込めます。目安は50%以下です。
キャッシュフローマージン: 40.22%
利益構成比率: 41.28%
GLOの株価
企業名: Globe Telecom, Inc. (GLO)
セクター: サービス
サブセクター: 通信
時価総額: 4,075億3,858万1,350.00ペソ(2021年10月21日付)
浮動株比率: 21.69%
* 2022年12月からは、指数への組み入れに必要な浮動株比率が20%に引き上げられます。
したがって、当サイトでは20%を下回る場合は低いと判断しています。
EPS: 95.06ペソ
BPS: 583.94ペソ
PER: 15.78倍
PBR: 5.14倍
GLOは、1935年1月16日にフィリピンで無線長距離メッセージサービスを運営するフランチャイズを持つGlobe Wireless Limitedとして設立されました。その後、1992年に現在の社名に変更し、翌年にはSingapore Telecom, Inc.を新たな海外パートナーとして迎えました。GLOは、フルデジタルネットワークを使用して、Globe Postpaid、Globe Prepaid、TMのブランドで、デジタル無線通信サービスを全国で提供する電気通信会社です。
GLOの週足チャートはAOTSを描き始めていますが、MACD、RSIは下を向いており高値掴みに注意が必要です。株価のサポートは2,650ペソ、レジスタンスは3,428ペソです。
まとめ
GLOの2021年上半期の決算内容は、売上総利益率は88.65%、売上高営業利益率は84.47%でした。両方とも効率よく利益を出しています。ROEは14.69%、ROAは3.47%でした。株主資本からは効率良く利益をだしていますが、資産全体から効率良く利益を出せていません。
自己資本比率は23.64%、流動比率は62.23%、当座比率は41.71%、負債比率は323.08%、固定比率は356.23%、固定長期適合率は112.86%でした。自己資本比率と流動比率と当座比率は低く、短期債務返済能力も低く、全体的に借金への依存度はかなり高く、資金繰りが苦しい状態です。
キャッシュフローマージンは40.22%、利益構成比率は41.28%でした。効率的にキャッシュフローを稼いでいて、安定的なキャッシュフローが見込めます。
EPSは95.06ペソ、BPSは583.94ペソ、PERは15.78倍、PBRは5.14倍でした。やや割高です。
経営状態と株価を総合的に見ると、5段階評価 (S, A, B, C, D)はBランクで普通です。
ランク
上記まとめの16項目 (各1ポイント)を元にランク付けしました。
過去に自己分析した銘柄も記載しています。
S 非常に良い (13~ )
16.
15.
14.
13.
A 良い (10~12)
12.
11. MPI
10. MONDE, AGI
B 普通 (7~9)
9. FLI, RLC, AEV
8. PGOLD, CNVRG, VLL, AP, ACEN
7. JFC, ALI, AC, SSI, MM, MEDIC, GLO
C 悪い (4~6)
6. SM
5. AREIT
4.
D 非常に悪い (0~3)
3. ALLDY
2.
1.
0. CEB