FLIの2021年上半期の決算
2021年上半期の純利益は、前年同期の24億1,700万ペソから18億7,685万ペソへと、5億4,015万ペソの22.35%減少しました。
連結売上高は、住宅事業の不動産販売収入が増加したものの、賃貸事業の収益が減少したことにより、前年同期の93億857万ペソから83億1,324万ペソへと9億9,533万ペソの10.69%減少しました。
不動産販売額は、前年同期の45億5,624万ペソから50億3,545万ペソへと4億7,922万ペソの10.52%増加しました。これは主に、第2四半期に完成した工事の進捗率が高かったことによるものです。
レンタルおよび関連サービス分野は、前年同期の39億1,667万ペソから10億5,143万ペソの26.84%)減少しました。これは主に、稼働率の低下によるモールおよびオフィスの収益の減少と、主にモールおよび小売店のテナントに対する賃料の譲歩によるものです。
関連会社の持分法損益は、FAIの純利益の減少により、前年同期の5億3,342万ペソから3,709万ペソへと4億9,634万ペソの93.05%減少しました。
受取利息は、前年同期の1億9,101万ペソから2億322万ペソへと1,222万ペソの6.40%増加しました。2021年の受取利息は、社内融資制度の契約債権からの受取利息が増加したことによるものです。
その他の収入は、サービス、処理、管理などの手数料収入の増加により、前年同期の1億1,124万ペソから6,099万ペソの54.83%増加し、1億7,224万ペソとなりました。
不動産販売原価は、前年同期の26億8,418万ペソから29億6,719万ペソへと2億8,301万ペソの10.54%増加しました。
レンタルサービスのコストは、前年同期の11億7,890万ペソから、1億939万ペソの9.28%増加し、12億8,829万ペソとなりました。
営業費用合計(一般管理費および販売費・一般管理費)は、前年同期比ほぼ横ばいの13億4,969万ペソとなりました。
の1,288.29百万円と9.28%増加しました。これは、当期の直接経費が増加したためです。
利息およびその他の金融費用は、前年同期の14億1,581万ペソから11億8,711万ペソへと2億2,871 万ペソの16.15%減少しました。これは、期間中の資産化された利息が前年に比べて増加したためです。
法人税等調整額は、前年同期に6億2,372万ペソ減少し、2億6,299万ペソとなり2021年上半期は3億6,073万ペソとなりました。これは主に、新たに制定されたCREATE法により、課税所得が減少し、税率が30%から25%に低下したことに加え、前年度の繰延税金資産および繰延税金負債の調整が必要となったためです。
FLIの2021年上半期の財務状況
2020年6月30日時点で、FLIの連結総資産は2020年12月31日時点での1,810億ペソから9億7,583万ペソの0.54%増加して、1,819億8,000万ペソとなりました。
現金および現金同等物は31.42%減少
その他の債権は24.22%減少
その他の流動資産は10.69%増加
繰延税金資産は67.39%減少
買掛金および未払費用は5.72%減少
関連当事者への支払額は21.19%減少
未払法人税は27.86%減少
繰延税金負債は7.36%減少
FLIの2021年上半期の連結キャッシュ・フロー計算書
営業活動による連結キャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で24億7,000万ペソとなりました。営業活動によるキャッシュ・フローは会社の本業を示す部分なので、プラスになっているのが望ましいです。
投資活動による連結キャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で30億6,500万ペソとなりました。投資活動によるキャッシュ・フローは成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、マイナスとなるのでマイナスになっているのが望ましいです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で15億800万ペソとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローがプラスの場合は、設備投資などのために借入れを行っています。財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスの場合は、借入金の返済を行っています。
FLIの2021年上半期の経営状態
売上高総利益率は販売する品物や提供するサービスの利益率のことです。業種によって違いはありますが20%以上を目安としています。
売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。業種によって違いはありますが10%以上を目安としています。
自己資本利益率 (ROE)は自己資本を活用して利益をどれくらい計上できたかを見る指標です。10%以上を目安としています。
総資産利益率 (ROA)は、資産全体に対して、どれだけの利益が生み出されているのかを計る指標です。5%以上を目安としています。
売上総利益率: 62.44%
売上高営業利益率: 56.33%
ROE: 2.49%
ROA: 1.03%
自己資本比率は、比率が高いほど、企業が必要な資産を最小限の負債で効率的に調達していることを示しています。業種により比率は違いますが、30%以上は良好です。
流動比率とは、すぐに現金化できる流動資産がどれくらいあるかを示しています。130~150%ほどが通常で100%を切っていたら、危険水域です。
当座比率が100%以上あれば、短期債務返済能力は十分あるものと判断することができます。
負債比率は、負債比率は、企業の資産のうち負債によって賄われているものの割合を示す財務比率です。100%を超えると借金への依存度が高くなります。
固定比率は、自己資本に対する固定資産の割合のことです。100%が基準となり100%を超えると借金で固定資産を調達しています。
固定長期適合率は、数値が低ければ安全性があり、100%を超えると資金繰りが苦しいです。
自己資本比率: 41.49%
流動比率: 333.40%
当座比率 : 62.34%
負債比率: 141.00%
固定比率 : 123.11%
固定長期適合率: 59.87%
キャッシュフローマージンは、売上がどれくらい効率的にキャッシュフローを稼いでいるかを示す指標で、15%以上を目安としています。
利益構成比率は、営業キャッシュフローにおける利益と減価償却費の割合を見る指標で、低い方が安定的なキャッシュフローを見込めます。目安は50%以下です。
キャッシュフローマージン: 31.27%
利益構成比率: 72.91%
FLIの株価
企業名: Filinvest Land, Inc. (FLI)
セクター: 不動産
サブセクター: 不動産
時価総額: 269億1,723万3,051.66ペソ(2021年9月27日付)
EPS: 0.08ペソ
BPS: 3.10ペソ
PER: 6.9倍
PBR: 0.35倍
FLIは、1989年11月24日に不動産開発を目的としてCitation Homes, Inc.として設立されました。その後、1993年7月12日に現在の社名に変更し、その1ヵ月後にFLIの親会社である Filinvest Development Corporationが不動産事業を分離し、FLIの株式と引き換えに関連するすべての資産と負債をFLIに譲渡し、商業活動を開始しました。
FLIの週足チャートは、現在20週移動平均線(緑の線)付近を推移していて、今年に入りレンジ相場が続いています。そのためボリンジャーバンドは買いと売りが均衡していてスクイーズ状態に入っています。株価のサポートは1.04ペソ、レジスタンスは1.24ペソです。
まとめ
FLIの2021年上半期の決算内容は、売上総利益率は62.44%、売上高営業利益率は56.33%でした。両方とも効率よく利益を出しています。ROEは2.49%、ROAは1.03%でした。ROEとROAは目安より低く、株主資本と資産全体から効率良く利益を出せていません。
自己資本比率は41.49%、流動比率は333.40%、当座比率は62.34%、負債比率は141.00%、固定比率は123.11%、固定長期適合率は59.87%でした。自己資本比率と流動比率は高いですが、借金への依存度はやや高いですが、固定長期適合率は低く資金繰りは苦しくはありません。
キャッシュフローマージンは31.27%、利益構成比率は72.91%でした。効率的にキャッシュフローを稼いでいますが、安定的なキャッシュフローは見込めません。
EPSは0.08ペソ、BPSは3.10ペソ、PERは6.9倍、PBRは0.35倍でした。当期純利益がマイナスで赤字だったことによりPERはマイナスとなっています。PBRが低く株価は割安です。
経営状態と株価を総合的に見ると、5段階評価 (S, A, B, C, D)はBランクで普通です。
ランク
上記まとめの16項目 (各1ポイント)を元にランク付けしました。
過去に自己分析した銘柄も記載しています。
S 非常に良い (13~ )
16.
15.
14.
13.
A 良い (10~12)
12.
11. MPI
10. MONDE
B 普通 (7~9)
9. FLI
8. PGOLD, CNVRG, VLL, AP
7. JFC, ALI, AC, SSI
C 悪い (4~6)
6. SM
5. AREIT
4.
D 非常に悪い (0~3)
3.
2.
1.
0. CEB