AREITの2021年上半期の決算
AREITの2021年上半期の税引き後の純利益は、2020年の10億1,732万ペソから、13億1,491万ペソと29%増加しました。この増加は主に、商業施設「The 30th」と「ラグナテクノパーク」の運営によるものです。
総売上高は、2020年上半期の9億1,000万ペソから13億6,470万ペソへと50%増加しました。これは主に、レンタル収入と純会費の増加によるものです。
レンタル収入は、2020年上半期の7億766万ペソから10億7,604万ペソへと52%増加しました。これは主に、商業施設「The 30th」と「Laguna Technopark」の土地が追加されたことや、当社のポートフォリオに加わったMcKinley Exchange Corporate CenterとTeleperformance Cebuがフル稼働したことによります。
会費は、2020年上半期の1億2,820万ペソから1億9,968万ペソへと56%増加しました。この増加は、2020年に取得した資産の通年効果に加え、2021年に取得した新規資産の運用によるものです。
営業費用は、2020年上半期の1億4,712万ペソから2億8,595万ペソへと94%増加しました。これは主に、管理費の増加(9,792万ペソ)、土地の賃貸料の増加(2,111万ペソ)、税金およびライセンスの増加(1,853万ペソ)です。
2021年のファイナンス・リースによる利益は2,831万ペソでした。
AREITの2021年上半期の財務状況
現金・預金が21%増加したのは、主に当四半期における現金・預金の純増加によるものです。
売上債権は、主に企業間融資の終了により、31%減少しました。
その他の流動資産は、入力された付加価値税、控除対象源泉税、前払い費用の増加により42%増加しました。
投資不動産は、ラグナテクノパークのThe 30th分の商業施設および土地の取得、投資不動産の公正価値の変動により19%増加しました。
その他の固定資産は、繰延インプットVATの増加により68%増加しました。
買掛金およびその他の債務は、主にファンドおよびプロパティ・マネジメント・フィーや未払費用などの 関連当事者に対する債務が減少したことにより、16%減少しました。
1年以内に返済予定の預り金およびその他の負債は、保証金および前払い賃貸料の増加により、125%増加しました。
AREITの2021年上半期の連結キャッシュ・フロー計算書
営業活動による連結キャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で2億1,311万ペソとなりました。営業活動によるキャッシュ・フローは会社の本業を示す部分なので、プラスになっているのが望ましいです。
投資活動による連結キャッシュ・フローは、37億7,564万ペソでした。投資活動によるキャッシュ・フローは成長に向けて積極的に投資を続けている会社であれば、マイナスとなるのでマイナスになっているのが望ましいです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2021年6月30日時点で35億7,463万ペソとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローがプラスの場合は、設備投資などのために借入れを行っています。財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスの場合は、借入金の返済を行っています。
AREITの2021年上半期の経営状態
売上高総利益率は販売する品物や提供するサービスの利益率のことです。業種によって違いはありますが20%以上を目安としています。
売上高営業利益率とは、売上高に対する営業利益の割合を表す指標です。業種によって違いはありますが10%以上を目安としています。
自己資本利益率 (ROE)は自己資本を活用して利益をどれくらい計上できたかを見る指標です。10%以上を目安としています。
総資産利益率 (ROA)は、資産全体に対して、どれだけの利益が生み出されているのかを計る指標です。5%以上を目安としています。
売上総利益率: – %
売上高営業利益率: 70.84%
ROE: 3.95%
ROA: 3.28%
自己資本比率は、比率が高いほど、企業が必要な資産を最小限の負債で効率的に調達していることを示しています。業種により比率は違いますが、30%以上は良好です。
流動比率とは、すぐに現金化できる流動資産がどれくらいあるかを示しています。130~150%ほどが通常で100%を切っていたら、危険水域です。
当座比率が100%以上あれば、短期債務返済能力は十分あるものと判断することができます。
負債比率は、負債比率は、企業の資産のうち負債によって賄われているものの割合を示す財務比率です。100%を超えると借金への依存度が高くなります。
固定比率は、自己資本に対する固定資産の割合のことです。100%が基準となり100%を超えると借金で固定資産を調達しています。
固定長期適合率は、数値が低ければ安全性があり、100%を超えると資金繰りが苦しいです。
自己資本比率: 83.00%
流動比率: 19.03%
当座比率 : 11.41%
負債比率: 20.49%
固定比率 : 117.48%
固定長期適合率: 112.21%
キャッシュフローマージンは、売上がどれくらい効率的にキャッシュフローを稼いでいるかを示す指標で、15%以上を目安としています。
利益構成比率は、営業キャッシュフローにおける利益と減価償却費の割合を見る指標で、低い方が安定的なキャッシュフローを見込めます。目安は50%以下です。
キャッシュフローマージン: 15.62%
利益構成比率: 100%
AREITの株価
企業名: AREIT Inc. (AREIT)
セクター: 不動産
サブセクター: 不動産
時価総額: 394億8,777万2,747.50ペソ(2021年9月13日付)
EPS: 1.28ペソ
BPS: 32.46ペソ
PER: 15.02倍
PBR: 1.18倍
AREITは、2006年9月4日に不動産会社として設立されました。当社は当初、One Dela Rosa Property Development, Inc.として知られていましたが、2019年4月12日に現在の社名に変更しました。当社は、収益不動産に投資することを主要な投資戦略とする不動産投資信託(REIT)として運営されています。当社のスポンサーはAyala Land, Inc.です。
AREITの週足チャートは、20週移動平均線をトレンドラインとして上場以来、右肩上がりです。株価が上昇しているのに対して、テクニカル指標が下がっていてダイバージェンスが起こっているので注意が必要です。株価のサポートは35.75ペソ、レジスタンスは38.80ペソです。
まとめ
AREITの2021年上半期の決算内容は、売上総利益率は – %、売上高営業利益率は70.84%でした。両方とも効率よく利益を出しています。ROEは3.95%、ROAは 3.28%でした。売上総利益率 は決算報告書からは計算が出来ませんでした。売上高営業利益率は良かったが、ROEやROAは低く効率よく資産を活用できていません。
自己資本比率は83.00%、流動比率は19.03%、当座比率は11.41%、負債比率は20.49%、固定比率は117.48%、固定長期適合率は112.21%でした。自己資本比率は高いが流動資産は低く借入金は多いが株主資本が多いため当座比率は低いです。
キャッシュフローマージンは15.62%、利益構成比率は100%でした。効率的にキャッシュフローを稼いますが、安定的なキャッシュフローは見込めません。
EPSは1.28ペソ、BPSは32.46ペソ、PERは15.02倍、PBRは1.18倍でした。株価は僅かに割高です。
経営状態と株価を総合的に見ると、5段階評価 (S, A, B, C, D)はCランクで悪いです。
ランク
上記まとめの16項目 (各1ポイント)を元にランク付けしました。
過去に自己分析した銘柄も記載しています。
S 非常に良い (13~ )
16.
15.
14.
13.
A良い (10~12)
12.
11. MPI
10. MONDE
B普通 (7~9)
9.
8. PGOLD, CNVRG, VLL
7. JFC, ALI, AC
C 悪い (4~6)
6. SM
5. AREIT
4.
D 非常に悪い (0~3)
3.
2.
1.
0. CEB
関連記事:
【フィリピン株】AREITとDDMPRの2020年度と2021年第1四半期決算比較